植物医科学叢書No.4『植物医科学の世界』を発行しました

監修者のことば

　この本は、一義的には、「植物医科学の世界」にはじめて出会う、本学生命科学部応用植物科学科の新入生を念頭に置いて企画したものであるが、それに加えて、農業生産や緑地保全等の第一線で、病害虫問題などに日々取り組んでおられる病害虫防除所や農業普及センター、試験場の技術者・研究者の皆様、農薬や種苗など農業資材関係企業の技術者の皆様、造園・緑化産業に携わる皆様、あるいは食の安全や環境保全、理科教育に携わる先生方、植物愛好家の方々、多くの皆様に、活用され、満足していただける内容にすることを心がけた。
　植物を加害する病害虫や生育異常に立ち向かい、その問題の解決を図ろうとする時、本書は、その原因究明（診断）と対処法（防除法）を見つけるヒントを与えてくれる。「植物医科学の世界」に初めて接する方や学生には新鮮な驚きを、また、すでに病害虫などの問題解決に経験を積まれた背様には、得意分野とは少し距離を置いた視点から、日の前にある課題を見つめ直す手がかりを与えてくれるものと確信する。
　本書は、類書のない、値物の健康に関係する要因と解決法を俯瞰的に扱うものとなっており、また、長年にわたり、植物の健康に関わってきた著者らの経験・口伝を随所にちりばめており、学生からベテラン技術者の皆様まで、「植物医科字の世界」を身近に感じ、役立つ内容となっている。
ぜひ、手元に置いてご利用いただきたい。