法政大学 生命科学部

ごあいさつ

法政大学植物医科学研究センターのごあいさつ

 地球規模で進行する気候変動はとどまるところを知らず、我が国の情緒豊かな四季は次第にその姿を変え、夏と冬の二極化の様相を呈しつつあります。これに伴い、全国の農作物生産の現場では、これまでの経験や知見のみでは予測し難い病害虫被害が発生し、農業経営に深刻な影響を及ぼしております。かかる時代にあって、植物の健全な生育を科学的に支える植物医科学の果たす使命は、ますます重大なものとなっております。

 さて、法政大学は、人類の持続的発展に不可欠な植物の健全成長に寄与する植物医科学を広く社会に普及・発展させることを目的として、昨年度、大学附置機関として「植物医科学研究センター」を設立いたしました。本センターは、気候変動や化学合成物質の多用に起因する植物障害の解明とその克服に取り組み、国際的な人口増加に伴う食料増産という地球規模の課題に貢献すべく、最先端の技術と知見を活用しながら、国内外の研究機関、行政機関、産業界との連携を一層強化してまいります。そして、植物医科学を通じて環境負荷の低減と持続可能な社会の構築に資する組織となることを目指しております。

 本センターは、2014 年 6 月に生命科学部応用植物科学科内に設置された植物医科学センターを基盤として発展的に改組され、大学附置機関へと昇格したものであります。これまで実施してまいりました病害虫診断の受託、現場のニーズに応じた講演会・研修会の開催、植物医科学に関する情報を広く社会に発信する出版活動等に加え、我が国政府が2030年までに5兆円規模への到達を目指す国産農林水産物・食品の輸出拡大への貢献、さらには全国の生産現場で発生する植物医科学関連課題を共有する地域連携拠点としての機能強化にも積極的に取り組んでまいる所存であります。また、外部機関との共同研究および受託研究につきましても、引き続き誠実かつ積極的に推進してまいります。

 大学附置機関としての体制整備により、年間予算に基づく計画的な事業運営や人材の新規採用など、従来にも増して発展的な組織運営が可能となりました。本センターは、これらの強みを最大限に活かし、独自性と実効性を兼ね備えた活動を展開し、社会の多様化・複雑化する要請に的確に応えてまいります。

 今後とも、全国で植物産業に携わる皆様に対し、学術的・技術的側面から一層の貢献を果たすべく尽力してまいる所存でございます。関係機関の皆様におかれましては、引き続き格別のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2026 年 4 月 1日
所長 津田新哉